アクザワ歯科院長 vs 近藤義歯研究所代表 対談

目次
30年来の知人です

お2人は研鑽し合いながら、付き合いが30年以上とのことでしたが。
約30年前、私が保土ヶ谷でスタディグループを組んでいました。
メンバーは6~7人ですが、レベルの高い先生ばかりでした。
若手のために近藤先生に「石膏練り講座」を依頼したことがキッカケです。
先日、ラボ(歯科技工所)でのセミナーに行かせてもらいましたが、今週末も行きます。(下記インスタ)
私は彼をすごい尊敬しています。
社長自らここまで勉強をしたり、若手をちゃんと育てようとする技工所はなかなかありません。

院長 阿久澤
共通の知り合いの先生がいまして。
当時、私が30歳で院長が33歳で医院を2~3件経営されていたんです。

近藤太
最初は、保土ヶ谷、その後に新百合ヶ丘のイオンの中の歯医者、ここは3件目です。

院長 阿久澤

33歳の阿久澤先生はどんな先生でした?
すごい勉強されている先生方だなと思いました。
入れ歯のセミナー講師にとして呼んでいただきました。
院内のこじんまりとした部屋で、ギューギュー詰めになってのセミナーが先生との出会いでした。
やり手の先生ばかりでしたので結構緊張しましたが、阿久澤先生は一番最初に食いついてくださったんです。

近藤太
保土ヶ谷時代の歯科医師会の飲み仲間が、意外とみんなちゃんと勉強しているという。(笑)
その頃から、勉強しているなと思って見ていました。

院長 阿久澤
こちらは、当時の歯科技工士のスタディグループ「NFK」(160名在籍)を作って3か月に1回勉強し、毎回30名くらい全国からやってきていました。

近藤太
他の歯科治療の勉強はある程度終わって、最後極めるべきは義歯かなと。

院長 阿久澤
是非、咬合(こうごう:噛み合わせ)を一緒にやりたいなと。

近藤太
タコの刺身が食べられる入れ歯

まさにこの間、その咬合を目の当たりにしました!(鼻息荒い)
「リハビリ入れ歯」の治療が終わる間際の患者さんのインタビューで、社長が入れ歯で食べるのが一番大変だといっていたイカやタコの刺身を食べられると話していました。
入れ歯で悩んでいる患者さんが聞いたら、驚愕の事実だと思います。

「ラミネート排列(※)」で咬合平面の確認をして、口の中に入れて前の歯と後ろの義歯との関係性を診る、当社だけの方法です。
※KGKデンチャーの部分入れ歯の一部では「ラミネート排列」を採用します。(排列:はいれつ、人工歯を並べるの意)
入れ歯でも、噛み合わせた面がデコボコではなく、お皿のように平面(咬合平面:こうごうへいめん)
であるほどいいのです。
平面になるように「かぶせ物」と「入れ歯」と「残っている歯」を揃えます。

近藤太


タコの刺身が、リハビリ入れ歯の段階ですでに食べられると話していてびっくりしました。
決して条件のいい患者さんではないんです。
事故にあって鎖骨を折って入院されてしばらく来られず、半年以上入れ歯を入れてなかったんですね。
「ゴシックアーチトレーサー」で咬合顎位(こうごうがくい:アゴの位置と噛み合わせ)をチェックし、試適(してき)といってワックス(ろう)の歯ぐき部分で仮の歯並びを作って、合っているかどうかを診ます。

院長 阿久澤
入れ歯用のかぶせ物が入るところが、KGKデンチャーの「完全オリジナル」です。

近藤太

「KGKは、部分入れ歯でもOKよ」ということですね。
普通の部分入れ歯は、歯は削らないんですよ。
歯も削ってサベイングすることは、ないです。
この地域の患者さんは歯が何本かある人が多いですが、その歯も摩耗します。
さらにかぶせ物の高さも合わせないと、顎位(がくい)が戻らない患者さんがほとんどです。

近藤太
これが「咬合再構成(こうごうさいこうせい)」ですね。
元にあった位置に近い位置で噛ませるようにするんです。
摩耗している人は、歯が見えなくなっちゃうんです。

院長 阿久澤

歯が見えなくなる??
笑った時に歯を見せられるように作ると、女性はとっても喜ぶし、なおかつ食べたいものが食べられる入れ歯が作れれば最高じゃないですか。

院長 阿久澤

本当はアゴの位置を高くすれば(元に戻せば)、笑った時に歯がちゃんと見える。
ここからここの距離(顎間距離:がくかんきょり)が、歯が摩耗して短くなっちゃったら高さを戻してあげる。
実は、自分の妻の親も先生にお世話になっていたんですよ。

近藤太
入れ歯のために歯を削ることを心配する方もいますが80歳過ぎると、歯は削ってもしみにくくなります。
歯の中の「神経の部屋」が細くなるので、生活歯 (せいかつし:歯の神経が生きている歯。反対は失活歯)でも裏側から部屋を狭くしていっているイメージですね。
今までの入れ歯の考えは、歯に対して入れ歯を作っていた。
でも、KGKデンチャーは、入れ歯に合わせてかぶせ物を作ってあげる、という概念です。

院長 阿久澤
「サベイドクラウン」(入れ歯のバネがスムースに出し入れできる、且つゆるすぎないように設計しているかぶせ物)になっていないんですよね。
それをしないと微妙にずれてきて、スパッと入らない。

近藤太

部分入れ歯の場合、バネを掛ける歯がとても重要!ということなんですね!
歯を削るのに抵抗がある患者さんは、通常の入れ歯になります。
つまり、保険の入れ歯の設計で、プラスチックの部分が単に金属に置き換わっただけものになります。

院長 阿久澤
その違いを分かってもらっている先生は、本当に少ないです。

近藤太

入れ歯のフックになる(バネを掛ける)歯を、入れ歯を安定させるために作りなおす、という認識で合ってます?
はい、それプラス摩耗しているから、大体「高さ」も変えます。

近藤太
噛み合わせの高さを調べるのが、ゴシックアーチトレーサーです。
「フェイスボー」(下記画像>左青枠内)というさんざん学生時代にやった基準点があるんだけど、絶対にエラーが出る。
だけど、大学ではいまだに教えている。
※KGKデンチャーは右側赤枠の「コンプシステムcomp system」を使います。

院長 阿久澤

更新されていないのが教科書で、患者さんに相対している我々の技術は全く変わっている。

近藤太

臨床と学校とで教えていることが、かけ離れすぎているんですね。
先生方の意識変革のために「結果」から入らないとダメなんです。

近藤太
うちは院内に技工士がいて、近藤義歯の特許「コンプシステム」(上記画像>右赤枠内)を見て本当に感動しています、近藤先生すごいって!
かなりの初期型を持っています。

院長 阿久澤

(手に持ってみてみる、感慨深いそうに)
多分2010年の最初の次のモデルです、最終形は2014年なので。
これでマウント(入れ歯の歯を並べていく事)していれば間違いない。
このコンプシステムを使える技工士は、技術が高いです。

近藤太

深津さん(院内の技工士)はこの説明書をずーっと見ています。

院長 阿久澤

え~~?!これを見ている!久しぶりに見ました。
すごいですね、あれを見て分かるとことは技術が相当高い証拠です。
この湾曲、中津山熱処理という工場じゃないと出せないんです。
燕三条にある工場で、3億円の機械を止めて作ったんです。
この湾曲、普通の機械じゃできないんです。
(まじまじと見て)真ん中の穴も手で削った跡がありますね。
歯科のプライヤー(鉗子:かんし)も燕三条とかあっち方面で作っています。
歯科技工士は、ワイヤー(入れ歯のバネ)を曲げるじゃないですか。
ビッチリしたものでないと・・・遊びがある新品はズレちゃうのでダメなんですよね。
あのメーカーのこのモデルじゃないとダメ、というのがあるんです。

近藤太

本当に職人技なんですね、かっこいいなあ。
手作りという意味では、近藤義歯研究所の「食べる度チェック表」もオリジナルと聞きました。
先生はそれを使って、患者さんに問診していました。
先生は「数字大好き」とのことでしたが、「食べる度を点数化=数字で可視化して誰でも分かる仕組み」は、他で見ることがないと思います。
(下記は、実際にタコの刺身が食べられるようになった患者さんと院長が「食べる度チェック表」でチェックしている写真)

今度それをデジタル化して、データを吸い上げて、初診の患者さんがどれくらいか?
3か月後、半年後はリハビリ入れ歯でどう変わるか?先生方にフィードバックする予定です。
数値化され、数字が証明します。
僕も数字、大好きです。

近藤太
説得力が違う。

院長 阿久澤

患者さんが初診で来た時、誰が最初に入れ歯の相談に乗ってくれますか?
最初は私です。
普通の補綴と違って、説明しやすいです。

院長 阿久澤
患者さんへのラブレター

先日、手書きの設計書を拝見しました。
患者さんサイドから見ると「私のためにこんなにやってくれているんだ」とラブレターみたいで。

いいですね、ラブレターって表現。
私達は、まさにそういう思いで「入れ歯設計提案書」を手書きにしています。
その患者さんのために、技工士が時間を作って心を込めて書いています。

近藤太
当院も患者さんの説明用のメモを、患者さんに渡すものと当院で保存するものと双方で保存できるように「複写の便箋」で描いています。
これは凄くいいです、アナログもいいと思っているの、使い分けです。

院長 阿久澤


確かに、口頭で言われただけの事って、50代でも忘れます。(汗)
60代70代80代の方なら、なおさらですよね。
患者さんもご家族も分かるし、齟齬がないですよね。
必要なことに時間と手間を掛けている歯医者さんだな、と思います。
(なんと、同行しているカメラマンが予約していました)
そもそも全部の診察台にマイクロ(歯科用顕微鏡)がありますよね。
本当はドクターが使うものですよね。

いやいや、歯科衛生士、技工士も使います。
2倍3倍の拡大鏡では見えないんです。
縁下歯石(えんかしせき)といって、歯ぐきの中の歯石はマイクロがあれば痛みが少なく取れます。
衛生士は腰を曲げずに治療が出来るから、楽でもあります。

院長 阿久澤

確かに、アクザワ歯科さんの衛生士さんは縁下歯石を除去している動画を「見てください、見てください」とまるで自分の子供の動画でも見せるかのように嬉々として見せてくださいました。
確かに、衛生士からしたら喜びですよね。

近藤太
石膏の扱いや印象を見る目が確かです
縁下歯石除去は、残っている歯には有効です。
私は彼を信じています・・・技工士の後進をちゃんと育てているのがすごい。

院長 阿久澤

お二人は、強い信頼関係で結ばれているんですね。
技工所から見て、すごく勉強家の院内技工士さんがいるアクザワ歯科さんは心強いですか?
基本的に目線が私たちと一緒なので、石膏(口腔内模型を作る時に使う)の扱いや印象を見る目が確かです。
こんなに能力のある人はいません、アクザワ歯科さんの宝です。
印象(いんしょう:型取り)は、補綴物(ほてつぶつ:口の中に入る技工物、この場合は入れ歯のこと)を作る工程の一つです。
それをこれから私は伝えていきたい・・・すでにそれを阿久澤先生は重要だと理解されています。
なので、石膏を機械で練ることも早期から取り入れています。
僕らがどんなにいい義歯を作っても、ベースとなる石膏模型が合ってなかったらどうにもならない。

近藤太

「粘膜」と取る義歯と、「歯の型」を取る詰め物・かぶせ物は、全く違う仕事です。
義歯は辺縁(へんえん)を取る=筋肉を取っているんです。

院長 阿久澤

フルバランスオクルージョン(Full Balanced Occlusio:噛み合う上下の歯が全て接触するような咬合様式。上記画像参照)を知ったから、治したくなっちゃいます。
「咬合再構成(こうごうさいこうせい)」すると生き返るんですよね。
今日も山形の先生とZoomでやりとりしたんですけど、顎堤(がくてい:歯の土手)がほじくるぐらい低い方でした。
が、入れた瞬間に「違和感がない」と。

近藤太

近藤先生は、私の師匠なんです。

院長 阿久澤
そういってくれる先生はとても少ないです。
なので、うちの技工士も「この先生のために頑張って仕事をしよう」と思いますよね。
ここの医院さんは5時半に終わるので、患者さんは有給を取って治療にきてくださいます、そこまでしてきたい歯医者さんなんですね。
歯医者を早く終わらせる流れは10年前くらい前からあったのですが、ずいぶん早く取り組んでいました。

近藤太

そういえば先生、手品やっていますよね。
そう、昔からやっています。
LINEのアイコンは、ちょっと前までマグロだったんです。
私は海がない群馬県で育ったので海に憧れがあって、海釣りをして生まれて初めて釣ったのがヒラメ。
その時はまだ、人にエサの虫をつけてもらっていました。(笑)

院長 阿久澤

(笑)技工士側から阿久澤先生はどうですか?
ちょっと兄貴的な、着いて行きたいなという感じです。
「信頼するから」ということを何度も言われると手を抜けない・・・アクザワマジックですかね。
結局ベテランの技工士である小澤が「阿久澤先生、ぼくやります」みたいになるんですよ。
アルジネート印象(歯型を取る粘土)は、混水比(こんすいひ:混ぜる水の割合)が決まっています。
入れ歯の製作工程は、「歯科医院」から始まって「歯科技工所」が入って「歯科医院」で終わるんです。
良い入れ歯を作るためには、チェアサイド(歯科医院)からの「工程管理」が必要です。
なので、印象や石膏の材料を「電子天秤」(下記画像参照)で測ります。
弊社の技工士は、石膏注ぎのセミナーを医院まで出向いてやっていますが、もうすでにアクザワ歯科さんではとうの昔から徹底されています、年季が違います。
石膏のメーカー、吉野石膏の営業さんと30年来の仲ですが、やはり混水比はとても大事だと話しています。
(餅は餅屋、石膏は石膏屋)

近藤太

そういえば、近藤義歯研究所が推奨のハカリが置いてありました・・・。


ちゃんとした技工士さんって、ちゃんと教えてくれる。
30年のつきあいがある信頼感が土台にあって、KGKデンチャーが作られるんです。
咬合調整は面白いですよ。

院長 阿久澤
私の家族を診てほしい先生です

最後に、問合せしようか迷っている患者さんに一言お願いします。
私からすれば、私の家族を診てほしい先生です。
そして、ラボ(歯科技工所)に勉強に来てくれる勉強熱心な先生です。

近藤太
近藤先生は、妥協せずに常に先を見ている人ですね。
技工所のスタッフにも楽しめる環境を与えている・・・例えば、残業のない日を作っている。
僕の中で尊敬する人の一人です。

院長 阿久澤
今、ほぼ定時に帰れるようになりましたよ。

近藤太

近藤社長はいつも新しいことを考えている・・・いつまでも企んでいますよね。
阿久澤先生もいつも新しいこと考えていますよね。
やってみてダメならやめればいい。

近藤太

突撃!院内の技工室と道具たち
所狭しといろいろな道具がある院内技工室。
なかなか入れない場所で気になります。
今回はプロ中のプロ、近藤義歯研究所の近藤代表に道具を教えてもらいました!

1. 電子天秤:当社が推薦したものをそのまま使って下さって嬉しいです!

2. 年季の入ったレーズ:入れ歯を研磨する道具です!

3. シリコン印象:精度よく取れる軟らかい「シリコン印象」常設で置いてある歯科医院は、本当に珍しいです。

4. ワインセラー
アルジネート印象(保険で使う歯型を作る粘土)や、型を取る石膏とそれを練るための水の温度は決まっています。
そのため、固定の温度に出来るワインセラーを利用しています。
温度管理をスタッフと共有し、こういうことを知っている先生は少ない。
歯科医院、患者さん、歯科技工所のトリプルウインはこういうところらか生まれます。

取材後記
ビック2対談という言葉がふさわしい、中身も見た目(笑)もとっても濃いお2人でした。
場所は違えど、それぞれの業界で現状に甘んずることなく常にトラアンドエラーを繰り返し、革新している2人は同じ匂いがします。
どちらもざっくばらんに包み隠さず話していたところが、印象的でした。
「全ては患者さんのため」同じ方向を向いているのは間違いありません。
実は、アクザワ歯科さんは予約の取れない歯医者です。
また、歯科技工士はここ20年で4000人以上と大幅に減っています。
確かな技術をもつ技工所と付き合いのある、しかも30年の間の信頼関係がある、そんな歯科医院はなかなかありません。
下記は長い付き合いの証拠となる若かりし頃の阿久澤院長の写真です。
(掲載テキストは古い内容です)
いい入れ歯治療を受けられる歯科医院を早く知ることは、人生を楽しく過ごすために大切なことです。
